「音おどる踊るおと」に寄せて

2月11日(日)夜、音楽と踊りの即興ライブパフォーマンス「音おどる踊るおと」が開かれました。

まず踊りのクラゲさんと、このイベントにイメージしていたキーワードが偶然に一致していたことに驚いた。
「蠢(うごめ)く」春の日の下で虫たちがモゾモゾ動き出す様子がよく出ている漢字。

公演は、即興の演奏×踊り2組という構成。
湖を立方体に切り取った水槽のような空間「みずうみ」で、音を奏でるものと踊るものが一対となる。「人」ではなく「もの」。表現する時は自分とは別のものになるということを聞くことがある。

音楽は、光のプリズムの差す穏やかなゆらめきから突然地震が起きたりもする自然環境のようで、踊りは生きものに見えた。音の波に揺られて湖の底で永く眠っていた古代生物がうめき蠢(うごめ)きだす。

不思議と、音楽が感じさせるのは空間の広がり深まりで、踊りが感じさせるのは時間の広がり深まりだった。

予め作らないニュートラルな人を超えた個々の出合い”即興”。狭い空間で短い時間で、果てしない何かを見せてもらい、それが「みずうみ」で起こったことを嬉しく思う。

ライブのお供は、ことばを食べるかんじクッキー「音 sound」踊ると音はセット、音を食べて踊るという感覚がどこかにあるかもしれない。「春」をひとつ紛らせた。