ページ【底】

深い深い水の底を漂っているような日々ー

水の中では誰かに何かを伝えようとしても、言葉が泡になって伝わらない。吐き出した言葉は泡になって浮上しぱちんとだけ鳴り空気に溶けてしまう。

だから私は黙って地面を掘り記憶の地層を辿り、日々言葉の化石を掘り出している。

それは自分の言葉を放つことではなく、人の声を聴きなぞることーそしてその声に応えることーそのときやっと私の声は言葉になる。

誰かが話すと、風が吹いて新しいページが表れる…

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