5/19 – 6/11展示「松葉に桃花の美徳を称えて」

※カフェみずうみ併設ギャラリーでの展示です。同時にカフェもオープンしています。

カリーヌ・フォシャール&ラザール・リュタコフ 展
「松葉に桃花の美徳を称えて」
monade contemporary|単子現代
https://monadecontemporary.art-phil.com/
会期:2023年5月19日(金)~6月11日(日)|金・土・日 14~19時 入場料:無料
   *プレビュー 5月19日(金)19時~
   *オープニングパーティ 5月21日(日)16時~
会場:〒605-0829京都市東山区月見町10-2 八坂ビル地下1階 奥左入ル 2号室
京阪 祇園四条 徒歩10分/阪急 京都河原町 徒歩12分/京都市バス 東山安井 徒歩2分
*協力:ことばを食べるカフェみずうみ。併設のカフェもお楽しみいただけます。

〈ステートメント〉
法隆寺宝物館に展示されている秦致貞の《聖徳太子絵伝》には、幼い太子が父から桃花と松葉のどちらがよいかと問われたときの逸話が描かれている。聖徳太子は「松葉のほうがよい」と言い、「桃花の美しさはひとときのものだが、松葉は百年経ってもみずみずしいままだから」と応じたという。大量生産の世界でオルタナティブ(代替可能性)がビジネスへと転化されるなか、ものやイメージ、体験をどのように並べ、比べることができるのだろうか。サステナビリティ(持続可能性)が主流となった今、エフェメラル(儚さ)とはどのような意味をもつのだろうか。

本展は、Karine Fauchard(カリーヌ・フォシャール)とLazar Lyutakov(ラザール・リュタコフ)の5度目となるコラボレーションで、2部構成となっている。第2部「松葉に桃花の美徳を称えて」は、6月上旬よりStudio GROSS(東京)で開催される。

― Karine Fauchard / Lazar Lyutakov

〈展覧会情報〉
monade contemporary | 単子現代では、アーティストKarine Fauchard(カリーヌ・フォシャール)とLazar Lyutakov(ラザール・リュタコフ)による「桃花に松葉の美徳を称えて(Extolling the Virtues of Pine Needles over Peach Blossoms)」を開催します。

Karine Fauchardはこれまで、動物や植物といった自然のモチーフ、あるいはその場所にみられるものとともに、絵画の可能性を存在論の水準から拡張し、全体と空虚、静謐と喧噪、描くことと空間の関係性などを探究してきました。また、Lazar Lyutakovは、グローバル企業によって生産された量産品をはじめとするモチーフやその場所にみられるものとのかかわりから、消費活動の自立的な運動によって繰り広げられる差異と反復のなかに市場や交通といった概念の生成と消滅、あるいは成立の与件について考察を深めるインスタレーションを展開してきました。Karine FauchardとLazar Lyutakovの協働による展示活動は、高度に発展した情報資本主義下における自然と市場のかかわりから、「見つけたもの」を選択し、配置し、再構成します。

Karine FauchardとLazar Lyutakovが来日を機に出合うことになった秦致貞(はたのちてい)の《聖徳太子絵伝》(1069)にみられる桃花と松葉をめぐる聖徳大使の逸話は、どのように今日的な状況における形相と質料をめぐる美徳のあり方を問いかけるのでしょうか。

自然/人工、有機/非有機、生成/消滅、生産/消費、表現/受容など、秦致貞の作品に触発された絵画とインスタレーションの相互作用から生まれる偶発的な遭遇とその時々に変化する関係性の移ろいにご参加ください。

Karine Fauchard(カリーヌ・フォシャール):1976年、Meudon la forêt(フランス)生まれ。パリのEcole Nationale Supérieure des Beaux-Arts修了(1998~2004)。作品は、Punta Gallery Sofia(2022)、New Jörg Vienna(2021)、Gnomons Non-Objective Sud (NOS), Tulette, France (2017)、第6回モスクワ現代美術ビエンナーレ(特別企画、2015)、Fotohof Salzburg(2011)、Daejeon Museum South Ko-rea (2010)などオーストリ アをはじめ世界各地で発表されている。オーストリア政府芸術奨学金、Erste Bank MehrWERT-Artprize 第1位、ENSBA Prix de gravure、Lafayette Gallery Parisの若手芸術家賞など、受賞多数。2007年より、Lazar Lyutakovとの協働により、ブルガリアの展示スペースBaba Vasa’s Cellarのディレクターを務める。
https://karinefauchard.com/

Lazar Lyutakov(ラザール・リュタコフ):1977年、Shabla(ブルガリア)生まれ。Sofiaの国立芸術アカデミーで学び、2005年にウィーン美術アカデミーを卒業。作品はRada Boukovaとともにブルガリア代表として参加した第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(2019)、第6回モスクワ・ビエンナーレ(特別企画、2015)、オーストリア応用美術博物館 MAK(ウィーン)の第1回ウィーンビエンナーレ(2015)で出展された。世界各地で多数の展覧会に参加し、特にSecession Vienna(2023年6月予定)、Gallery Charim Vienna(2022年)、Georg Kargl Permanent(2015)、MAK Vienna(2011)、SofiaのOne night stand gallery(2017)で個展を開催している。
http://www.lazarlyutakov.com/

*本展は、オーストリア連邦芸術・文化・公務員・スポーツ省の支援により実現しました。