2022-09-11 / 最終更新日時 : 2022-09-11 uzumimi ページ ページ【湖】 おなかの空いた黒猫にあげてしまった「言葉」を忘れた私はあたりを彷徨い、辿り着いた湖のほとりで水面に映る自分を見ている。 水面の向こうの自分は何か言ってるようだがプクプクと泡に消えてわからない。他になすすべもなく自分の姿に […]
2022-09-06 / 最終更新日時 : 2022-09-06 uzumimi ページ ページ【夜】 夜になると、小さな黒猫がやって来る。昼間はどこにいるのか何をしているのかわからない。 つややかな漆黒の毛並みに透明の黄色いトパーズをはめ込んだような月の光のような二対の目がまっすぐに私を見つめる。何を訴えているのか鳴きや […]
2022-09-03 / 最終更新日時 : 2022-09-06 uzumimi ページ ページ【底】 深い深い水の底を漂っているような日々ー 水の中では誰かに何かを伝えようとしても、言葉が泡になって伝わらない。吐き出した言葉は泡になって浮上しぱちんとだけ鳴り空気に溶けてしまう。 だから私は黙って地面を掘り記憶の地層を辿り […]